ISOコラム

2015年10月26日

Vol.9:認定と認証の違い

  本コラムでもたびたび登場しております「認定」と「認証」という言葉について、本日は少しだけ触れていきたいと思います。

  ごくごくたまにいただくのは「認証と認定・・・何が違うの?」というご質問です。不思議なもので、こちらはあまり直接、お尋ねをいただいたことがございません。

  前回のコラム【ISOを認証取得する会社は何故、認証取得するの?】にて触れましたが、ISO審査機関に勤めていると、よくいただく質問のひとつに、「なぜ、世間の会社はISOをとるの?」という質問があります。こんな風に「ISOをとる」や「ISOに合格する」という言いまわしで聞かれることが多くて、「認証取得」という言葉はめったに出てきません。
  ISO認証にたずさわる者の一人として残念でございますが、「認証」という言葉の認知度が低いのかもしれません。また、たまに「ISOの認定のメリットって?」という風にも質問をいただきますので、「認証」と「認定」が同義語として認識されていることがあるようです。
  実際に「認証」と「認定」は漢字も発音もよく似た言葉ですから無理もないことだと思われます。

  ですが、「認証」と「認定」は、以下の通り、まったく違う意味で使われています。例として「ISO 9001」でご説明させていただきます。

  認証・・・ISO 9001 に取り組む組織様が合格した際に「ISO 9001 認証取得」と表記する。

  認定・・・ISO 9001 に取り組む組織を審査する機関が審査され、認定を付与される。

  平たくもうしますと、
  「組織様(一般の会社)」← 認証(審査) ← 「ISO審査機関(弊社)」
  「ISO審査機関(弊社)」← 認定(審査) ← 「認定機関(JAB、ISMS-AC 等)」
となります。認証にせよ、認定にせよ、どちらにしろ「審査」という手法が使われますので、少し分かりにくいですね。

  以下の図だと分かりやすいかと存じます。

  では、「認定機関」とはどんなことをしているのでしょうか。
  ISOは国際的に運用されていますので、各国で自由気ままに決めて運用する・・・というわけには参りません。もちろん、文化的な相違や各国固有の事情を踏まえて、各国独自の運用やルールとなる部分はあると思いますが、その部分はごくごく限られるべきではないでしょうか。そうなると、国として代表になる機関(組織)が国際的な話し合いの場に出向き、運用方法やルールについて話し合い、そして、自国へその結果を持ち帰り、周知するための機関(組織)が必要だと思います。この役目を担うのが「認定機関」です。
  そして認定機関はISO審査機関を審査し、審査機関として、的確に運用されているかどうかや審査機関としてふさわしい力量を持っているのかを見極めます。
  これらの構造は国際的に決められていますので、各国共通です。まさにグローバルですね。
  ちなみに、弊社(ISO審査機関)では、「認定機関」のことを社内で「上部機関」と呼称することがあります。

  弊社が認定を取得しているのは、
  公益財団法人 日本適合性認定協会(略称 JAB)-QMS、EMS認定
  情報マネジメントシステム認定センター(略称 ISMS-AC)-ISMS認定
  です。

  「認証」は、このコラムを読んでくださっている方々には不要かと存じますので、割愛させていただきます。

  「認証審査」についてご興味がおありの方は、是非、弊社(ISO審査機関)へお問合せください。

マメ知識
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以上
国際システム審査株式会社 マーケティング室 発行
文責 由利有美

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