2015年2月第一週
第5回:第2条:具体的な目標を立てる
目標は、社員と共有することで、漠然とした目標ではなく、組織ごとにブレークダウンされたものでなければならない。現場の最小単位の組織にいたるまで、明確な目標数字があり、さらには、一人ひとりの社員までが、明確な指針のもと、具体的な目標を持っているべきです。それは、一年間を通した通期の目標だけではなく、月次の目標としても明確に設定すべきです。月々の目標が明確になれば、おのずから、日々の目標も見えてくるものです。目標は、夢ではありません。必ず達成するという気持ちで立てるものです。また、その達成度を測定評価できるように具体的なものでなければなりません。
目標はガラス張りで有言実行でなければなりません。 営業部門でも、製造部門でも、当月の「売上げ」や「利益」などの数字が全員の頭にしっかりと入っていて、職場の誰に聞いてもその数字が口をついて出てこなければいけません。 目標を全員に周知徹底し、共有化を図ることによって一人ひとりの参画意識が高められ、これが一丸となって目標達成に向かうエネルギーとなるのです。
「人間の能力は無限である」を信じ、努力し続けることによって必ず目標は達成できると考えよう。仕事において、新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性を信じている人です。「何としても成し遂げたい」という強い願望で努力を続けることです。 稲盛は、具体的に年間目標は立てますが、具体的な長期目標は立てない主義です。特に、刻々と変わる時代・経営環境下では、具体的な長期目標を立てるよりは、短期的目標を確実に達成して積み重ねことを重要視しています。
「今日一日を一生懸命働くことによって明日が見えてくる。今月を一生懸命働くことによって、来年が見えてくる」と考え、日々・月間・年間の目標を着実に達成していくことに主眼を置いています。年間達成の延長が自然と中長期目標につながることになるというわけです。
意味合いは、多少違いますが、紀元前1400年ごろ、中国の殷王朝〔商王朝とも言う〕を創建した湯王は、「まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」(今日の行いは、昨日よりも新たによくなるように、明日の行いは今日よりも新たによくなるよう、修養に心がける)」を座右の銘として政治を行った。目標は、その積み重ねであると考えれば、納得できます。
当社の事業の目的(理念)は、「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、併せて人類社会への貢献をしていくこと」です。この目的に近づき達成するためには、事業を発展させながらできるだけ多くの利益を確保し、従業員をはじめとして社会に還元していくことを続けていく必要があります。そのために年度経営目標をたて、その達成にそれぞれの業務を通して全員一丸となって取り組まなければなりません。また、私たちの事業を継続していく上で必要な認定または承認基準のマネジメントシステム要求事項を順守し維持し且つ業務改善していく上でお互いが創意工夫をしながら仕事を行うよう常日頃から心がけすることが大切です。