自主公開プログラム

2015年2月第二週

第6回:ISOマネジメントシステムは、「管理保証システム」として考え活用しよう

  私たちの仕事と大いにかかわるマネジメントシステムの教育と審査について考えてみよう。
マネジメントシステムとは、わかりやすく言えば、組織のマネジメントの方法を仕組み化したものです。組織の仕組みですから、組織の数だけあるといっても過言ではないでしょう。GTCは、ISOマネジメントシステムの教育機関として立ち上げました。教育機関ISO9001の要求事項及び認定・承認機関の要求事項を取り入れてマネジメントシステムを構築して事業を運営しています。ISAの事業は、ISOマネジメントシステムの認証業務ですので、ISO17021及び認定機関であるJABの基準に適合するようなマネジメントシステムを構築し運営しています。要求事項や基準は、やらなければならにこと、あるいはやってはならないことは規定していますが、どのようにすればよいかは、定めておりません。たとえば、ISO9001は、組織が品質マネジメントシステムで必須要素として取り入れなければならないことを要求しています。

  ISOのマネジメントシステム規格は、マネジメントシステムを構築する上で必要な要求事項を定めたものであり、それをどのような方法手段で行うかは定めておりません。したがって、規格は、マネジメントシステムではなく要求事項を規定した基準文書以外の何物でもありません。タイトルはマネジメントシステムとなっていますが、品質、環境、情報などとそれぞれ限定されたマネジメントシステムですので、管理保証システムと考えてください。マネジメントシステム規格で言及しているとトップマネジメントは、トップだから一人と考えなくて役割によっては2人でも3人でもよいのです。

  GTCでは、代表取締役社長がトップマネジメントには違いませんが、専務取締役も研修部長も役割によっては、トップマネジメントです。ISAでは、認証業務はISO17021及び認定機関が定めるさまざまな要求基準に従って認証業務を運営しています。その責任者が審査事業部長ですので審査事業部長もトップマネジメントとなります。
その事業の実務プロセスの責任者は、それもその事業のトップマネジメントです。持っている権限・役目によって、トップマネジメントは複数存在してもよいと考えます。

  私たちは、事業を運営のために認定・承認機関が要求している要素を取り入れての要求に適合した事業運営を行っています。

  しかしながら、ISOマネジメントシステムを取り入れていることで事業経営が保証されるわけではありません。経営はダイナミックです。即ち、刻々と変化する顧客の要求、事業環境、国・自治体の規制強化あるいは緩和、国内外の競合他社の戦略・戦術、グローバル化による熾烈な競合に勝ち抜くためのコストダウン、戦略的事業展開など多くの経営要素を取り入れながら経営していかなければ、事業の継続自体が危うくなります。そのために、要求事項とは別に、経営の目的を達成するための根幹である売り上げ・利益の確保にかかわる経営目標に向けて全員一丸となって、創意工夫をしながら目標達成に向けて取り組むことが最も重要な活動要素となります。

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