自主公開プログラム

2015年4月第四週

第16回:リーダーの心得を理解し幸せな人生を送ろう

リーダーとは何か、どうあるべきかについては、これまで多くの成功者、先達が自分の経験をもとに熱く説いており、数多くのすばらしい書物が発刊されています。孔子はどのように考えていたのでしょうか。今回は、論語の中でマネジメント・リーダーシップに関連した教えについて私が感銘した文章を題材にします。論語で教えているリーダーが心得ておくべき事項について考え解説します。日本にある論語の原文は、漢文の旧日本語訳です。私は、原文を読んで理解するだけの素養を持ち合わせておりませんので、先達の現代訳、口語訳を参考にしながら解説していきます。表面的な文章の理解にとどまらずその言わんとするところを自分の人生経験に照らし合わせて考えることで更なる理解が深まります。そのように考えながら論語の凝縮された一言一句を読み解いていくことでそれこそ論語が珠玉の教えであることがわかるような気がします。
論語には、「君子重(くんしおもから)ざれば、すなわち威(い)あらず。学べば固ならず。忠信を主とし、己(おのれ)に如(し)かざる者を友とする無かれ。過ちては、即ち改むに、憚(はばか)ること勿(なか)れ。」とあります。
「威あらず」は。威張り散らしたりしないことで、「謙虚にして驕らず」、ことわざにある「実るほどに頭をたらす稲穂かな」ということです。「学べば固ならず」とは、学ぶことによって「人の意見を利かずにかたくなに自分にこだわる」ことがないようにします。
「己に如かざるものを友とするなかれ」は、よく耳にする言葉です。自分より劣っている人を友にするなと解釈すれば、ずいぶん差別的な表現に思えますが、「己に如かざるもの」を「悪友」またはまったく「取るに足りない人」と限定して解釈すれば、納得が行きます。
「過ちては、即ち改むに、憚(はばか)ること勿れ」もよく使われる有名な言葉ですが、リーダーたるものは、それなりの権限・権力を持っていますから、過ちを犯したとき、つくろったり、言い訳をしたり、屁理屈で言い逃れたり、責任転嫁をしたりしてはならないと釘をさしています。私たちは、リーダー像に反した似非(えせ)リーダーのあがきの場面をテレビでいやというほど見せ付けられることがしばしばありますが、孔子流にいえば、プライドや保身に徹するような人は、リーダー失格です。孔子は、それなりの覚悟ができていないとリーダーにはなれませんよといっているわけで、すごく納得できます。
「君子重ざれば、・・・・・はばかることなかれ」の文を、君主(リーダー)四つの心得として現代風にまとめますとさしずめ以下のようにまとめることができると思います。

  1. どんなときにもあわてることなく、冷静沈着に振舞うことで部下に安心感を与えることができるように「謙虚にして驕らず」の振舞いができること。
  2. さまざまなケースに遭遇しても対応できるように学び、能力を身につけ実践できること。
  3. 自分より優れた人を通して学び、何事にも真摯、誠意ある対応ができること。
  4. 自分の行く道が明らかに間違っていることに気づいた場合は、間違いをただし軌道修正して対応することができること。



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