自主公開プログラム

2015年5月第三週

第19回:経営とは何かを理解することで幸せな人生を送ろう

  

稲盛は、「経営とは何か」をわかりやすく説明するとき、路上でのバナナ売りの場面、魚屋さん、屋台ラーメンの経営をたとえにしてわかりやすく説明します。その著書「成功と情熱」では、アメリカで働く京セラ関連会社の幹部・従業員にお話しするときには、屋台ラーメンの代わりにアメリカ人にふさわしい「屋台ホットドッグ」を例にしてお話しています。たとえば、失業してしまったので、何とか家族を養う道を探さなければならないとしよう。そこで仕事が見つからないので仕方なく屋台のホットドッグ屋をやると決心します。当然この商売にはprofit(利益)を期待します。ほかに仕事が見つからないので、仕方なくホットドッグ屋をやるという負け犬のような言動・態度をとってはいけません。そのような境遇、状況に陥いり、「屋代ホットドッグ屋」を開業したわけですから、この仕事は、あなたの天命であり、成功に導く使命を負わされたと考えるべきです。自分の家族のためになるような大きな夢・願望(Ambition)を持つべきです。「ホットドッグ屋」開業で経営に必要なのは、資金、屋台・調理などの設備、ホットドッグに必要な材料の仕入、在庫、レシピー、その日の売上げ集計、マーケティング、営業など経営にとって重要な要素がほぼ全て詰まっています。
また、これに加えて、経営に必要な要素として「PASSION」を引き合いにして、稲盛経営の12か条を見事な語呂合わせでわかりやすく説明しています。経営コンサルタントもよく引用する「PASSION」ですのでここに紹介します。
Passion(情熱): Profit(利益)を売るために売上げは最大限に 経費は最小限に
Ambition(願望):成功させるという強烈な願望を心に抱く。
Sincerity(誠実さ):仕事は、思いやりの心で誠実に
Strength(強さ):経営は強い意思で決まる。勇気をもって事に当たる。
Innovation(創意工夫):常に創造的な仕事を行う。
Optimism(楽観的):悲観的に計画し楽観的に行動する。
Never Give Up(最後までやり遂げる):成功するまで諦めない。
経営者が持つべき本質的なことがらであり、また、従業員に対してもこのような経営で成功するのだという強いメッセージでもあります。
稲盛氏は、「経営哲学を持ったことにより、会社は発展し、この会社(AVX社、アメリカの京セラの子会社)の社員は寄りすばらしい人生を求めるようになったのである。これは哲学を持つことが経営において以下に重要であるかの実証である。そして私は哲学を持つことの重要性は人生においても代わらないと思っている。」と述べています。

ところで、論語に「名正しからざれば、即ち言従わず」とあり、これは「名は体を成す」という意味ですが、「PASSION」の命名は、まさに経営を理解するにふさわしい命名と感心することばかりです。



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