2015年11月第二週
第42回:信念を持つも、柔軟な考え方で幸せな人生を送ろう。
短く凝縮した表現で心の琴線に触れる格言、箴言、魔法の言葉などといわれる金言は、いずれも環境、状況、立場によって真逆になる場合があります。
どんな状況でも利く万能薬がないのと同じ様に、どんなすばらしい教えでも、おかれた環境を無視してその活用・応用の仕方を間違えるとよい結果は期待できません。
「継続は力なり」を金科玉条の如くいかなる場合も信じて、商いは飽きずにやり続けることとして、「十年一日」同じことをやってよく飽きないで商いを続け、ニッチもサッチも行かなくなり、倒産する企業があります。
自分だけのためなのか、自分以外の関係者を巻き添えにしてでも自己の信念を貫き続けるか、おかれた環境を考えて「変化への対応」を考えなければなりません。
信念を貫き通すことは多くの場合、すばらしいことではあるが、それにより、自分以外に多くの方の犠牲を伴う場合、軌道修正も必要であると私は思っています。
「過ちて改めざる、これを過ちという」とか「君子豹変す」といわれるのは、上に立つ者には、このように軌道修正する勇気が時として必要なことを意味しています。
商売の発展を考えると「飽きる、飽きない、商い」の主人公は自分でなくお客様です。お客あっての商いであることを考えずに自分本位になっていると勘違いを起こします。
個人の権利・義務を主張する個人主義は、利他の心、感謝の心と相反しがちです。
私たちは、集団の中の一人であることを忘れて感謝の心を失わないようにしたいものです。
私たちは、生きているのではなく、生かされていることを忘れてはいませんか?私たちは自分の意思で生まれたわけではありません。
自分で両親を選択したわけでもありません。生まれたとき、自分の意思で生活環境を選択したわけでもありません。
心身とも健全であれば、自分の意思で死ぬわけでもありません。そう考えることで、生かされていることに感謝する気持ちを持つようにすれば、人生で遭遇する全てのことに対して感謝の心が生まれてきます。
困難を避けるのではなく困難な状況の出逢いに感謝し、困難・試練は、自分の魂のレベルを上げる上で役立つものと考え、感謝する気持ちに切り替えることで試練を乗り越え向上できます。
「災い転じて福となす」を信じてそのように考えることが出来れば幸せになります。1日の始まりで、朝起きて、先ず生きていることに感謝することからはじめるように心がけましょう。
世の中には、どんなときでも絶対自分の信念・意見を曲げない人もいます。信念を持つことと、柔軟性は一見矛盾しているように思えますが、経営(組織)では、相手の立場で考えることができるようになることも大切なことです。相手の立場に立って考えることで視野が広がります。
仏教の教えでは、この世は諸行無常で、説明のできない不思議なものは存在しなく、縁という係わり合いの中で原因と結果の関係で成り立っていると考えます。
皆が目標を立て、正しい方向性を持つことで、私たちが属する組織の経営理念は本物になってきます。