自主公開プログラム

2024年1月5日

7.「心を高め、経営を伸ばす」

   2023年は皆さまにとってどのような1年だったでしょうか。社会全体では、2020年から続いてきた新型コロナ
ウイルス感染症の影響は薄れ人流の動きも活発化してきたように感じます。一方で組織的なキックバック還流などの
政治的な不祥事、中古車販売業者や芸能事務所、自動車製造業の事例に代表される企業の不祥事、長引くウクライナ
戦争、 イスラエルとハマスの衝突など社会の騒乱は続いています。2024年はより良い状況になることを期待したい
と思います。

   また、2023年の大きな出来事として、企業経営や従業員に与える大きな影響としてCHAT GPTに代表される
生成AIの飛躍的発展があげられるでしょう。この技術は産業革命に大きな影響を及ぼした蒸気機関、重工業、コン
ピューター、インターネットと匹敵するレベルのイノベーションと言われています。経済成長や社会変革をもたらす
技術を汎用技術(General Purpose Technology; GPT)と呼びますが、Open AI社のGPT (こちらは、Generative
Pretrained Transformer)はまさに汎用技術であり、実際Open AI社の研究論文では、GPTs are GPTs(*大規模言語
モデルによる生成AI技術は、汎用技術であるという意味あい)のタイトルの論文が書かれています。今やChatGPTの
能力は、医師国家試験やMBAトップスクールでも合格できるレベルと言われています。ではそのような時代に人間は
何ができるのでしょうか?

   そのような時代であるからこそ人間のもつ「心・感性・哲学」がこれまで以上に重要視されてくるような気が
しています。2010年の稲盛和夫塾長の講和の文章を改めて読み返しました。2000年代初頭はエンロンやリーマン
ブラザーズに代表される大手企業の不祥事・倒産の流れからコーポレートガバナンスの強化が議論され膨大なルール
や法律が企業経営に適用されるよう整備が進みました。しかしながら稲盛氏は、「いくらそのような法制度を整えた
ところで経営者やリーダーが自分の利益を中心とした考えをもっている限り、必ずやその心ないリーダーたちは法の
網の目をかいくぐることに努める」と語っています。残念ながら2023年においての数々の不祥事を見るとこの言葉は
的中していると言えるでしょう。 稲盛氏は経営において経営戦略、経営戦術、新しいアイデア等はもちろん大切
であるが、「人間として正しいことを貫く」というシンプルな判断基準が最も重要だと語っています。

   私たちも「人間として正しいことを貫く」という精神を徹底していきたいと思います。そのためには私たち自身が
常に謙虚に行動を顧みて、反省し、心を高めるために成長していくことが重要だと考えています。国際システム審査
社員一同邁進してまいります。2024年もよろしくお願いします。

   2024年、世界がより良くなることを期待しています。しかし、元旦に能登半島沖で大きな地震が発生し、羽田空港
でも航空機事故がおきてしまいました。この悲劇で命を落とされたすべての方々に、深い哀悼の意を表します。
また、被災された方々へ心からのお見舞いを申し上げ、一日も早い回復を心よりお祈りしています。

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