2024年6月3日
12.働く意義と目的をしっかり持つことで幸福な人生を送ろう
2024年6月になりました。振り返ると5月は国際政治情勢が大きく動いた月でした。台湾では、蔡英文総統の後継
選挙の結果、与党・民主進歩党(民進党)が勝利しましたが、この結果を受けた中国政府の動きは気になるところで
す。また、イランのライシ大統領が事故死も驚きでした。その後の国際政治体制の影響なども気になるところです。
さて今回のテーマは働く意義と目的を持つことの重要性です。京セラ創業者の稲盛さんは「働くことは心を高める
こと」と語っています。就職活動最中の学生や若手の会社員にとっては、働くことの意義が明確にならないこともあ
るかもしれませんが、おそらく長年真面目に働いてきた皆様は、既に働くことに対して「生活の糧」以上の意義・目
的を見出している方が多いのではないかと思います。
一方で、今後人間が仕事をAIに奪われていくという予測もあります。BBCのニュースで、「人工知能のゴッド
ファーザー」と称されるジェフリー・ヒントン教授は、AI が多くの日常的な仕事を奪うことを懸念し、 AI の影響に
対処するためにユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)を確立する必要があると述べました。UBIは、最低限所得
保障の一種で、政府が全国民に対して 、決められた額を定期的に預金口座に支給するという政策です。今後AIにより
雇用が失われていく中で、最低限の生活保障と格差解消のためにUBIが今後確立されていく可能性はあります。
しかしながら、働くことが私たちの心を高め、社会に貢献する手段であるという前提にたてば、仕事自体は内容は
変化すれど、社会に存在し続けるでしょう。結局のところ、私たちが直面している社会的変化は、働くことの意義を
再定義・再考する大きなチャンスを提供しているように感じます。近年では、人材戦略上で重要な施策として、国を
あげてリスキリングの重要性が注目されていますが、AIによって仕事が置換されることが問題なのではなく、各個人
がその変化を捉え、自らの価値と役割を進化させていくかが重要なのだと思います。