自主公開プログラム

2024年11月1日

17. 売り上げを最大に、経費を最小に

   11月に入りました。2024年も残すところあと2か月となりました。10月末には衆議院選挙で与党が信頼を得ら
れず過半数割れとなり国内政治の不安定さが露呈する結果となりました。政治は混迷、経済は不透明さが漂い体力
基盤の弱い企業は淘汰されていくリスクも増していきます。かつて低価格テレビの販売で世界シェアを伸ばした船井
電機(株)も破産してしまったと聞き寂しい思いです。特に経営基盤の弱い中小零細企業にとっては、健全に経営を
行っていくためのよりどころが必要です。京セラ創業者の稲盛さんは、自ら体得した経営の原理原則を「経営の12か
条」という形で、スモールビジネスの経営者に指針を示してくれました。今月のブログでは、第5条「売り上げを最大
に、経費を最小に」について考えてみたいと思います。
   会計はそれに携わってない人にとっては非常にわかりにくいものでしょう。私は以前外資系企業で会計業務に携
わっていましたが、他部門で非常に優秀なマネジャーであっても、「会計は全く分からず苦手」という方が多かった
です。ビジネススクールで学んでいた時も、様々な分野・領域で非常なのに「会計だけはわかりません」という方も
見てきましたし、経営者であっても「実は苦手」という方が少なくありません。おそらく稲盛さんは会計の複雑さを
理解したうえで、その複雑さを乗り越えるため、盛和塾の経営者に伝わるように物事を単純化したのだと思います。
   要は売上を最大化するために何をするか、経費を最小化するために何が必要か、そのために経営や会計の状態はリ
アルタイムで把握できるのか、売上を最大化して経費を最小化すれば利益は自然についてくるという考え方をシンプ
ルなメッセージで伝えています。もちろん単純化したからと言って実現は容易ではありません。稲盛さんは、”生半可
なことでは達成できることではない。そのためには、知恵と創意工夫と努力が必要になる。” 「稲盛和夫の実学」(日
本経済新聞出版)と語っています。

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