自主公開プログラム

2025年1月6日

19. 経営を知り、より幸せな人生を手に入れる

2024年の世界・日本の動向
2024年は、世界中で大きな変化が起こった激動の年として記憶されるでしょう。海外の多くの国で政権交代が起きた
ほか、日本でも与党の過半数割れと政治不信の動きが見られます。経済においては、日経平均株価がバブル期を超え
る水準に達し、日銀が17年ぶりに利上げを行いました。政治と経済の両面で大きな転換点となった年といえます。

2025年の世界・日本の展望
一方、2025年は世界経済の先行きに不透明感が漂っています。トランプ次期大統領の政策次第で、世界経済は大きく
揺れ動く可能性がありますし、日本の政治状況も不安定です。国内では、「団塊の世代」が後期高齢者となる
「2025年問題」が本格化します。医療・介護費の増加や労働力不足の深刻化が懸念され、企業にとっては社会保障費
の負担増や人材確保が大きな課題となるでしょう。つまり、2025年は企業がこれまで以上に柔軟な変化への対応を迫
られる年になる可能性が高いのです。

組織で働く私たちと「経営」
現代社会では、多くの人が企業や組織の一員として働き、日々の業務に追われる生活を送っています。そんな中、
「経営」という視点を持つ機会は意外に少ないかもしれません。しかし、経営とは企業を成功に導き、社会に貢献す
るための活動であり、その本質を理解すると仕事へのモチベーションが高まるだけでなく、人生全体を豊かにする
ヒントを得ることができます。

ポイント:
世界の激動 → 企業が直面する変化 → 個人に求められる主体的な働き方
経営の視点があれば、「なぜこうした戦略や施策が必要なのか」を自分ごととして捉えやすい

「仕方なく始めた仕事」も天命と捉える
先代のコラムでも紹介されていますが、稲盛和夫氏は著書『成功と情熱』の中で、経営の本質を分かりやすく伝える
ために「屋台ホットドッグ」の例を用いています。

ストーリー:
ある人物が失業を経験し、家族を養うためにホットドッグの屋台を始めたとします。

資金をどう工面するか
材料をどのように仕入れるか
売上の管理や顧客とのやりとり、接客の工夫
どうすれば利益を最大化できるか
これらのすべてが経営に必要な要素の体験になります。たとえ「仕方なく始めた仕事」であっても、その仕事を
「天命」だと捉え、大きな夢や目標(Ambition)を抱くことが、成功に向けた原動力になるのです。

経営のキーワード:「PASSION」
稲盛氏は、経営に必要な要素を7つの言葉で表し、それらの頭文字を取って「PASSION」としています。これは経営
者だけでなく、働くすべての人々にとっての行動指針にもなり得ます。

● Passion(情熱)
利益を出すためには、売上を最大化し、経費を抑える情熱が必要。
小さなコスト削減や新規顧客の開拓も、強い情熱がなければ続かない。
● Ambition(願望)
「どんな会社・組織を目指すのか」「自分はどんなキャリアを築きたいのか」といった大きな目的意識がモチベーションを支える。
● Sincerity(誠実さ)
顧客や取引先、従業員に対して誠実な態度で接することで、長期的な信頼関係が生まれる。
● Strength(強さ)
困難な状況にもくじけず、意思を貫いて行動する精神力が重要。
● Innovation(創意工夫)
常に新しいアイデアを生み出し、変化に素早く対応する姿勢が、組織を存続・成長させる。
● Optimism(楽観的)
楽観的なビジョンを持ちつつ、リスクも見据えたバランス感覚を保つことで、計画の実行力を高める。
● Never Give Up(最後までやり遂げる)
どんな試練があっても諦めず、結果が出るまで努力を続ける粘り強さが肝心。

実践 × 理論の相乗効果
日々の業務や小さな工夫が大切とはいえ、現代の市場環境は多様化し、競争も激化しています。そこで役立つのが、
先人たちが考え抜いてきた経営理論です。実務を通じて得た経験を、理論のフレームワークと組み合わせることで、
より客観的・戦略的に状況を捉えられるようになります。

代表的な経営理論の例:
● マイケル・ポーターの競争戦略
市場で競争優位を築く具体的なアプローチを示し、自社がどのように差別化・コストリーダーシップを図るか考える
指針となる。
● ドラッカーの「顧客創造」
企業の使命は顧客の満足を生み出すことだと説き、常に「顧客が本当に求めているものは何か」を問い続ける重要性
を示す。

人生を豊かにする思考力
経営理論を学ぶことは、単にビジネスで成果を出すためだけではありません。論理的思考力や問題解決能力を養うこ
とで、家庭や人間関係など、人生のあらゆる場面でもより良い判断ができるようになります。

経営は企業や組織を成功へ導くための活動であり、ひいては社会に貢献するための取り組みです。しかし、その本質
を学び、理解を深めることで、私たち一人ひとりの仕事観や生き方そのものにも大きな影響を与えます。

1. モチベーションの向上
  経営の視点を取り入れることで、自分の役割や目標がより明確になり、仕事が“作業”ではなく“挑戦”へと変わる。
2. 論理的思考・問題解決力の強化
  経営理論を学ぶことで、あらゆる場面で起こる課題を体系的に考え、最適な方法を導き出す力が磨かれる。
3. 人生の選択肢が広がる
  新しいアイデアや夢へのチャレンジが、仕事だけでなくプライベートにも好影響をもたらす。

2024年から2025年にかけて、世界の経済・政治情勢は大きく動き、日本では「2025年問題」など社会課題が顕在化
していきます。その中で企業が生き残り、個人が成長するためには、経営を学ぶことが重要なカギを握るでしょう。

一歩踏み出して、「経営とは何か」を学んでみませんか。
その先に待つのは、仕事における成果だけでなく、自分自身の成長と、より幸せな人生かもしれません。

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