2025年2月3日
20. 先達の英知から学び幸せな人生を送ろう
2025年1月20日、ドナルド・トランプ氏が第47代米国大統領に就任しました。
現実に起こったこの政治の転換点は、国際情勢に大きな変化をもたらすと同時に、各国の外交や経済に影響を及ぼす
ことが予想されます。トランプ大統領は「アメリカファースト」の政策を掲げ、DEI条項の撤廃、パリ協定からの
脱退、そして関税措置の発動など、これまでにない大胆な措置を進めています。こうした政策の背景には、国家とし
ての自立や独自の価値観を再評価する動きがある一方で、国際社会との対話や信頼関係の再構築が求められる現実も
存在します。この歴史的な転換点からも私たちは学ぶことができるのかもしれません。
今回のテーマ「先達の英知から学び幸せな人生を送ろう」に立ち返り、2500年以上前に孔子が説いた倫理観に目を
向けてみたいと思います。
先代社長が引用した『論語』の一節は、以下の通りです。
> 「礼に非ざれば、視ること勿れ。礼に非ざれば、聞くこと勿れ。礼に非ざれば、いうこと勿れ。礼に非ざれば、
動くこと勿れ。」
この教えは、単なる日常の振る舞いを規定するだけでなく、個人の行動や企業、さらには国家間の交渉においても、
適切な態度や敬意が如何に重要かを示しています。
たとえば、国際会議の場では、相手国の文化や慣習に敬意を払い、対話を重ねることが信頼構築に直結します。企業
のビジネスシーンでも、パートナーとのコミュニケーションにおいて礼節を守ることは、取引の円滑化や長期的な
関係の構築に寄与します。これらは、古来からの教えが現代のグローバルな環境でも普遍的な価値を持つことを示す
具体例です。
トランプ大統領の政策が、国家の利益を前面に押し出す一方で、国際的な協調や信頼の構築を難しくする側面もある
のは事実です。ここで、孔子の教えが改めて示すのは、どんなに時代が変わろうとも、「礼」という基本原則が、
対話と相互理解の土台となるという点です。現代の国際政治においても、単に力や利益の追求だけでなく、相手への
敬意と対話の姿勢を持つことが、より安定した世界秩序の構築につながると考えられます。
現代の複雑な国際情勢の対応においては政治家や官僚に任せるとしても、個人や企業レベルで礼節を重んじることも
また、社会全体の調和と信頼の礎を築く重要な一歩です。現実の変化を敏感に捉えながら、古来の知恵に根ざした
行動指針を再評価し、日常生活やビジネスの中で実践していくことが求められています。