2025年5月1日
23. 経営は強い意志で決まる(経営の原点12か条の第7条)
皐月の訪れとともに、日本全国で初夏の息吹が感じられる季節となりました。東京では先週から続く暖かな日差し
に恵まれ、新緑が目に鮮やかな季節を迎えています(そして暑い)。4月13日から大阪万博も始まりました。色々
話題に事欠かないですがGW中はたくさんの観光客が訪れているのでしょうか。
今回のテーマは稲盛 経営の原点12か条の第7条の「経営は強い意志で決まる」です。私自身、盛和塾83号会報誌
の塾長講和「信念と意志」を読み返しまとめてみました。「経営は強い意志で決まる」という言葉の真髄は、単なる
スローガンではなく、経営者の内面的な成長過程を示しているように感じました。
● 知識から見識、そして胆識へ
知識:頭で理解している状態
見識:信念を伴い、本質を見抜ける状態
胆識:見識を実行に移せる状態
多くの経営者は「知識」(例:利己的な行動はよくない)は持っていますが、それを「見識」まで高め、さらに「胆
識」として実行するには、強い「信念」と「意志」(胆力)が必要と述べられています。
● 利己と利他の葛藤
経営が安定してくると、多くの経営者は「利己的」な考えに囚われがちです。
自分をよく見せたい
自分が得をしたい
こうした「利己」を抑え、「利他」を実践するためには、単なる「知識」ではなく、「見識」が必要です。そして
「見識」を行動に移す「胆識」には、強い「意志」の力が不可欠なのです。
● 企業衰退の本質
多くの名門企業が危機に陥る根本原因は、経営者の「利己」に傾いた姿勢にあります。「知識」としては正しい道を
知っていても、「利己」を抑えて「利他」的に行動する意志力がなければ、企業は経営者の怠慢と堕落によって衰退
への道を歩むことになります。
経営の成否は、結局のところ「強い意志」で「利他」を実践できるかどうかにかかっているのです。このことを心に
とめ見識、胆識まで高めていきたいと思います。