ISOコラム

2015年8月25日

Vol.5:「OHSAS 18001とは」

  OHSAS 18001という言葉は耳なじみでしょうか。弊社では「オーサスいちまんはっせんいち」と呼称しています。
  「聞いたことないなぁ」という方が多いかもしれませんね。

  OHSAS 18001 も、「MS」つまり「マネジメントシステム」の規格です。
  それではどんな規格でしょうか。

  まずは成り立ちというか、歴史について少しだけ解説させていただきます。
  もともと、「BS 8800」というイギリスの労働安全衛生マネジメントシステム規格があり、それを土台にしてISO規格として策定していこう、というお話があったのですが、その調整がはかれなかったため、OHSAS 18001:1999 として発行されました。そして需要のたかまりがあったので、OHSAS 18001:2007として改正されました。改正とは「より良いものへ見直す」と考えていただいて差し支えありません。OHSAS 18001 の場合は「より使いやすい形に見直しされた」カンジですね。

  なお、発行された1999年から今日現在までJIS規格化はされていないので、JISQxxxxという名称はありません。そして今日現在でOHSAS 18001はISO化のための作業が進んでいます。ISO 45001としておめみえする見込みです。また、発行時期は、早くて2016年9月にIS発行(国際規格発行)の見込みであるといわれています。また、2015年8月現在では「CD2(第2次委員会原案)」という段階ですが、「DIS」に進むことが決定しています。

  では「労働安全衛生マネジメントシステム」とは何でしょうか。
  労働はそのまま「労働」です。そして「安全」も。「衛生」だけがイメージされにくいかもしれませんが、英語名称をみていただくと良いかもしれません。

OHSAS 18001:2007
英語名称
Occupational health and safety management system - Requirements
日本語名称(日本語訳)労働安全衛生マネジメントシステム-要求事項

  つまり、healthが「衛生」と訳されています。Healthには「健康」という意味もありますよね。たとえば「埃っぽい場所で清掃する」ときや「粉塵が舞う工事現場で作業する」ときなどはマスクを着用すると思います。なぜマスクを着用するかというと主に「健康を損なわないようにするため」や「負傷や疾病の予防」だと思います。healthとつながりますね。

  そしてOHSAS 18001に書かれている内容をざっくばらんに申しますと「作業する場所や事務所内の危険を分析して特定して、労働災害や労働事故、負傷や疾病を回避しなさい」と書かれています。

  働く環境がいろいろと整備されるのは労働者として歓迎ですし、かつ、当然のことながら整備されるべきものだと思います。素敵な規格だと思われませんか?

  「OHSAS 18001」についてご興味がおありの方は、是非、弊社(ISO審査機関)へお問合せください。

  マメ知識
  「DIS」というのは、規格が策定されるステージの名称です。
  「NP」→「WD」→「CD」→「DIS」→「FDIS」とステージがすすみ、「ISO規格」として発行されます。くわしくは、「日本工業標準調査会:国際標準化(ISO/IEC)-ISO 規格の制定手順」をご参照ください。

以上
国際システム審査株式会社 マーケティング室 発行
文責 由利有美

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