ISOコラム

2015年9月10日

Vol.6:「ISOのマークってJISマークとは違うの?」

  「ISO のマーク(※1)ってJISマークとは違うの?」というお話を承ることがあります。
  答えは「違います」です。

  いままでのコラムで「ISO」=「JIS Q」とお伝えして参りましたが、あくまでもそれは「マネジメントシステム規格」に限定されたお話です。ちなみに「マネジメントシステム」=「会社の仕組み」ととらえていただけるとイメージされやすいと思います。

  では、「ISOのマーク」と「JISマーク」のそれぞれをご説明させていただきます。

  なお、本日のコラムの「ISOのマーク」は「ISO に合格したあとで使えるようになるマーク」のことです。世間ではさまざまな呼び名が存在しますが、弊社では「認定・認証マーク」や「認定シンボル/認証マーク」と呼称しています。本日のコラムでは、「ISOのマーク(認証マーク)」と明記させていただきます。また、「ISOマーク」といいますと、スイスのジュネーブにある国際標準化機構のマーク(楕円形の図の上にISOのアルファベットロゴのあるもの)を連想される方がおいでかもしれませんが、そのマークとは異なります。

  まずは「JISマーク」についてお伝え致します。
  「JISマーク」とは、「Japanese Industrial Standard mark」で、「日本工業規格(JIS)に合格した鉱工業製品につけるマーク」のことです。
  もう少し詳しく書かせていただきますと、「日本工業規格(JIS)に書かれている内容を基準として、製品をサンプリングして製品試験を行ったり、品質管理の社内体制を審査したりして、それに合格した製品にJISマークはつけられる」ということになります。
  上記の一連の流れを「製品認証」と呼称します。
  「製品」を「認証」しているのですね。皆様の身の回りの製品が、こういった試験・審査を経ていて、さらに合格しているということは、とても安心ですね。
  なお、「製品認証」にはさまざまなものがありますが、ここでは一般に耳なじみがあると承ることが多い「JISマーク」をとりあげております。

  対して「ISO 9001」や「ISO 14001」、「ISO/IEC 27001」の内容では「製品について決められていない」状況です。では何が書かれているのかというと「会社の仕組み」が書かれています。これらは今まで本コラムでも説明させていただいている通りです。
  つまり「ISO のマーク(認証マーク)」というのは、「会社の仕組みが審査され、合格した場合に使用できる」ということになります。実際には、マークの利用に際しては細かな規約が存在しますが、本コラムは「おおまかなイメージをつかんでいただく」ことが主旨ですので、このような表記としておりますため、誤解なさらないようにお願い申し上げます。
  そして、上記のように、「ISO のマーク(認証マーク)」を利用できるようになることを「ISO 認証取得」といいます。一般には「ISOに合格する」や「ISOをとった」などの表現で耳にされたことがあると思います。

  では、「ISO のマーク(認証マーク)」つまり「認証マーク」を手に入れるとどんな良いことがあるのでしょうか。「ISO 9001」を例にしてご説明いたします。
  まず第一に、「認証マーク」が利用できるということは、国際規格である「ISO 9001」にのっとって、社内の仕組みを見直し・調整し、審査を受けたということになります。つまり、その会社は「国際基準にのっとって、社内の仕組みが完成・維持されている」という事になります。

  そして第二に、対外的に上記を示すことが出来ます。
どういうことなのかと申しますと、たとえば、「認証マークを利用してISO 9001 認証取得したことをウェブサイトで宣伝する」など、外部への宣伝が可能になるのです。「ISO 9001」は「品質」のマネジメント規格です。「ISO 9001 認証取得したことを社外に向け発信する」ということは、その会社が「品質」に対して向き合っていることや、いかに「品質」に対して社内で取り組んでいるかを、会社の外へ示すことになります。

  また、別の機会に詳しくご説明しますが、「認証取得」は「第三者の立場で審査しなければいけない」ことが決まっています。つまり、『その会社の「会社の仕組み」を客観的に審査されている』ということになります。さらに安心ではないでしょうか。

  例えば、新規のお取引先様とのお打合せの中で、営業部の方や社長が「うちで働いている皆は日々、不良品を出さないように頑張ってくれています。社内で品質についての研究結果を発表する場や、勉強会も定期的に設けていて、みんな熱心です」と宣伝されたとします。ただ「頑張り」や「熱心さ」は目に見えるカタチになっていないと伝わりにくいかと存じます。
  こういった場面で「認証マーク」が入った名刺やパンフレットを活用いただきますと、お打合せが上手くすすまれるかもしれません。

  「製品認証」と「ISO認証取得」・・・文字も違いますし、意味も異なっています。
  そして、会社の仕組みが審査される「マネジメントシステム審査」でも「サンプリング」という審査手法は登場します。
  とってもややこしいのですが、今日のところは、「ISO のマーク(認証マーク)とJISマークは違う」という風にご理解いただけますと幸甚です。

  「ISO のマーク(認証マーク)」にご興味があるかたは、弊社(ISO 審査機関)へお問合せくださいませ。

※1
より詳しく記述しますと、「ISOを認証取得した組織が、そのことを指し示す目的で使用するマーク」で す。一般には「ISO 認証取得マーク」などと呼ばれています。

マメ知識

以上
国際システム審査株式会社 マーケティング室 発行
文責 由利有美

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