2017年6月26日
Vol.12:移行審査とは_その2
前回のコラム【vol.11:「移行審査とは_その1」】(2015 年11月25日更新)
では、移行審査の期限をお伝えいたしました。
また、前回の更新から期間が空いてしまって申し訳ございませんでした。
早速ですが、今回は、「移行審査」の「目的」について書かせていただきます。
実は審査には必ず「目的」が存在するのです。
ちょっと横道にそれますが、弊社が普段実施しております「第三者認証審査」の「審査目的」は「認証取得または認証維持のため」です。もう少し詳しく書きますと「規格などの要求事項に適合していることを第三者(認証機関)が審査し証明するため」なのです。
弊社では、この目的を達成するために、国際ルールに基づいて社内の仕組みづくりを実施し、自分たちで結果を確認し、効果をあげるために行動しています。たとえば、一例として、弊社では職員にコンサル(個別のISOのご相談事に応じてアドバイスすること)の実施を禁止しています。国際ルールで決められていることでもあるのですが、コンサルを実施すると「公平性が担保されない(第三者の立場が守れない)」と考えるからです。
ではどのタイミングで職員に実施を禁止するのかというと、実は「入社日」に禁止してしまうのです。手っ取り早くて確実ですよね。
移行審査にお話を戻します。
移行審査の目的は
「ISO 9001:2008で審査を受けて認証取得していた会社が、ISO 9001:2015で認証取得するため」です。
じゃあ、新しく審査をやりなおさないといけないの? 大変じゃない! と、ご心配されるかもしれませんが、大丈夫です。まったくの最初からやりなおしするのはとても大変ですから、「差分」に特化して、審査を実施します。この審査を「移行審査」と呼びます。
この場合の「差分」は、ISO 9001:2008とISO 9001:2015の差のことです。規格の改正では一言一句、全て書き換えられたわけではなく、特定の部分が書き換えられるので、書き換えられた部分を抜き出して分析します。これを「ギャップ分析」と呼びます。
ギャップ分析の結果を「差分」と呼び、差分の部分に特化した審査を計画し実施します。
以上が、「移行審査」のあらましです。
もちろん、国際ルールで「移行審査にかけるべき時間(移行審査工数)」など、あらかじめ決められている部分も踏まえて、上記の計画は立案され、実施されます。
では、「移行審査」をどうやって受ければいいの? 「移行審査前には何をしておけばいいの?」という疑問をもたれると思います。
そちらは、次回のコラム【vol.13:「移行審査の前に」】で書かせていただきます。
移行審査についてご興味がある方は是非、弊社(ISO審査機関)へご連絡を下さいますようお願い申し上げます。
マメ知識
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以上
国際システム審査株式会社 マーケティング室 発行
文責 由利有美